小松 集さん ルーブルこども園・保育教諭(育休中)

子どもたちを信じることで、仕事が楽しくなりました

私は大阪の出身で、もともと大阪で保育の仕事をしていたのですが、28歳のときに憧れの沖縄に移住をしてきました。

それまでも何度か沖縄には遊びに来ていて、沖縄の人のあたたかさを肌で感じ、人と触れ合う雰囲気が「あ、大阪と似てる!」とますます惹かれ、移住を決めました。

移住して最初の年は、那覇市の公立保育所で臨時保育士として働き、そのあと2年目から、「あいのそのこども園」(のびしろこども園の姉妹園)で7年、そして「ルーブルこども園」(同)で8年勤めています。

「愛の園福祉会(のびしろこども園を運営する法人)でずっと働きたい!」と思ったのは、働き始めて2年目の体験からです。

2歳児クラスの担当になり、運動会を進めていくなかで、リズム遊びなどのプログラムを考えながら、子どもたちと遊んでいきました。子どもたちも楽しんで取り組んでくれて、私自身も楽しめました。理事長先生に「いいね! がんばったね」と言ってもらい、自分のエネルギーになりました。

けれども、その年のおんがくおゆうぎ発表会のプログラムは、内容をすこし複雑にしてしまったこともあって、自分の考えがうまくまとまっていなくって、のり切れず、子どもたちにも迷惑をかけてしまったなと、落ち込みました。

そのときに理事長先生から「子どもたちを信じなさい」という一言をもらい、その言葉が自分の中にすとん、と落ちました。

それまで自分だけが必死になって、子どもたちにもこれができたんだから、次はこれを! と焦ってしまい、子どもたちを「見守る」、「信じる」ということができていなかったのかなと思ったんです。

子どもたちを見て、この子はこんなことができるんだ、あんなことができるようになったんだという発見をして、じゃあそのできることを遊びの中に取り入れてみようって考えるようになりました。

それからは自分も楽しめるようになりました。理事長先生はいつも全体を俯瞰して、子どもたちにとって今、何が大切なことなのかということを見ているし、職員が困っていていることを見てくれていて、とてもありがたいです。

子どもたちの成長を“見える”ようにする『お帳面』

園では保護者のご家庭と、『お帳面(ちょうめん)』の交換を毎日しています。

※『よいこのあゆみ』という、子どもの成長を記録する連絡ノートのこと。子どもの健康状態やその日のできごとなどを、保護者と保育士それぞれが書いて情報を交換し合う。愛の園福祉会発足当初からすべての園で実施している

お帳面を書くの、楽しいですよ! 園での生活の中で、子どもたちのお友だちとの関わり方や今日できるようになったことなどの新たな発見があると、「これはお帳面に書いておきたい!」と、その日の出来事を書くんです。お父さん、お母さんと一緒に喜びを分かち合いたいなと思って書いています。毎日、新しい発見をするのがまた楽しいんです!

保護者からの返信もうれしいです。1歳児のトイレトレーニングの時期に、「お子さんは綿パンツを頑張って履いていましたよ」とか「おしっこが少し出ちゃったけどそのことをちゃんと教えてくれましたよ」と書くと、お母さんがうれしそうなお返事を書いてくれたり、「家でもやってみます」と返してくれたり。

運動会やおんがくおゆうぎ発表会など、家族が観ている本番でうまくできないこともありますが、練習のときにどんなふうにがんばっていたかをお帳面でも伝えているので、親御さんもわかってくれて、安心して見てくれていると思います。

お父さん、お母さんは子どもが園でどんな経験をし、遊び、どんな風に成長しているのかを見たい、知りたい! と思うはず。わたしにも子どもができ、育てていく中で、よりその気持ちがわかるようになりました。

その思いに応えたい、園での出来事を知ってほしいです。子どもたちの成長を、親御さんと共感し合いたいと思っています。日々の出来事を、メモしたり、お昼寝の時間に子どもたちの様子、気づいたことを情報交換したりして、職員同士で情報を共有しています。

お帳面は手書きで書くので、ちょっと大変なときもありますが、やっぱり「伝えたい」という気持ちが強くあって、その気持ちを伝えるためには手書きが一番だと思います。

親御さんからのお帳面のコメント、返事からも気持ちが伝わってきます。各家庭それぞれで、お父さん、お母さんが子どものことを思っているかが、手にとるように伝わってきます。

お帳面はただの伝達ノートではなく、子どもの成長を、親御さんとわたしたち保育士と一緒に喜び合うためのものだと感じます。

最後に、県外から沖縄に来て、働こうと思っている方へ。知り合いや、友だちがいない土地に来るのはドキドキするし、不安もあるでしょう。

わたしの場合、まずネットで調べたり、いろんな保育園に見学に行ったりしました。大阪にいる間に、沖縄での就職先を決めました。働く場所があると、生活もできる。職場に行くと会話もできて、人のつながりもできるし、情報も入ってきます。

移住1年目のとき、職場の部活動に誘ってもらい三線(さんしん)を習ったり、創作エイサー団体に入って、「那覇大綱挽まつり」や「一万人のエイサー踊り隊」に出て踊りました。

沖縄の文化を楽しみながら、友だちもできました。うちなんちゅは、心があたたかい人たちばかりです!

教えて、あなたの必需品!

タオルとペン

汗かきなのでいつも首にタオルを巻いています。トレードマークのようになっていて、子どもたちがタオルを巻いて、「つどいせんせい」って真似されます(笑)。あとはペン。こすれば字を消せるやつです。お帳面用に、いつでも子どもたちの様子や気づいたことをメモできるようにしています。